吉本興業の騒動から、所属する芸人の給料、ギャラの不満がどっと明るみに出ました。
報道では、給料やギャラの低さだけが、大きく取りざたされている印象ですよね。
「どうして芸人に入ってくる給料やギャラが低いの?」「所属芸人が6000人と多すぎるから?」と気になっている人も多いかもしれません。
今回は、吉本芸人の給料が安い本当の理由は?問題点はどこにあるのか?
キングコング西野さんが明かす、サラリーマンやビジネスパーソンも知っておきたいお金の話についてまとめてみました。
吉本芸人の給料が安い本当の理由は?
吉本の所属芸人の、ギャラへの不満があちこちで出ていますが、まず言えるのがこちら。
「売上」=「利益」を勘違いしている。
ということ。
どういうことかというと、実際の例を挙げてみてみましょう。
芸人佐藤ピリオド.の例
9:1じゃなく5:5?ほほう。
品川で初単独やった時。
445席即完して。グッズも完売して。
ギャラ2000円だったなぁ。
御茶ノ水男子2人で4000円。
9割9部9厘:1厘の間違いでは。
それを社員さんに抗議に言ったら仕事減らされて。
いい思い出だなぁ。
— 佐藤ピリオド. (元御茶ノ水男子) (@fugashiou) July 22, 2019
こちらの芸人さんが以前、単独ライブを行ったときのエピソード。
445席満席、グッズも完売だったにもかかわらず、ギャラが2000円だったとのこと。
この事実だけを聞くと、「えー、445人も観客が来たのに、ギャラがたったの2000円って低すぎない??」って、思う人もいるかもしれません。
ところが、この内容について、キングコングの西野さんは、「この規模のライブで4000円もギャラがもらえるなんてありえない」と言っています。
どういうことかと言うと、この規模の単独ライブは赤字になることがほとんどなのだとか。
こういった場合、芸人へのギャラを含む「経費」の支払いは、売れてる他の芸人の売り上げから補填されるのが基本なのだそうです。
この佐藤ピリオド.の単独ライブの収支について、西野さんが見積もりをしています。
【収入 約90万円】
・チケット収益:1800円×445席=80万1000円
・グッズの利益:10万円
ここから、会場費や機材費、セット費、衣装費、チケット手数料、人件費などが差し引かれます。
【支出 85万円】
・会場費:65万円
・音響費と照明費:15万円
・セット費:5万円
・衣装費:3万円
すると…甘く見積もっても、チケット手数料やスタッフの人件費を含めなくても、ほぼトントン。
または「赤字」になることが分かりますね。
吉本芸人の給料、ギャラ問題からサラリーマンも知るべきお金の話とは?
吉本芸人の給料やギャラ騒動では、「売上」がそのまま「利益」になるという認識での発言が多かったように思います。
大事なのは、「売上」ー「経費」=「利益」であり、売り上げではなく利益が大事と言うこと。
吉本の芸人にかかわらず、サラリーマンや組織に雇われている人にとっても、同じことが言えますね。
吉本芸人の給料、ギャラ騒動が起きた原因とは?
・イベントごとの収支内訳を開示していない
・芸人自身のお金(売上や利益)に対する知識が不足している
ということも一因かと考えらえます。
吉本芸人の給料、ギャラ騒動から見えた、改善するべき点とは?
①吉本興業は、イベントごとの内訳を開示する
関わった芸人やスタッフ誰もが、いつでも見れる体制作りが必要です。
②吉本興業は、給料やギャラについての基準を作る
芸歴や人気度、貢献度、序列などによって給料には差があると思いますが、口約束ではなく「基準」が示される必要があります。
こちらは、現在すでに、「経営アドバイザリー委員会」で、ギャラの取り分を開示することが決定したようです。
③芸人が吉本興業側と面談・交渉する場を設ける
芸人のみなさんも、会社側と対等に面談・交渉できる場が定期的に開かれるとよいと思います。
対等に交渉していくためには、芸人側の「雇われてる」「所属している」意識を変えることや、お金に対する知識を身に着けることも今後は必要になるのではないでしょうか?
まとめ
今回は、吉本芸人のギャラ騒動から、吉本芸人の給料が安い本当の理由は?問題点はどこにあるのか?キングコング西野さんが明かす、サラリーマンやビジネスパーソンも知っておきたいお金の話についてまとめてみました。
自分のお給料や報酬を考えるとき、またさまざまなサービスを受けるとき、どれだけの経費がかかっているのかを計算してみると、見えてくる景色が変わるかもしれませんね。
そして、雇われている身でも、こういう内訳に関心を向けることで、「経営者」としての見方も身に着けることができるようになると思います!
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